May 21, 2006
「いざ、パリへ！」 "Big Ears"の終着駅は胃痙攣
プジョルが高々と"Big Ears"を掲げる。
お馴染みの紙吹雪が舞い、ピッチの真ん中で喜びをジャンプで表現するバルサの選手達。
周りでは総立ちでバルサの"偉業"を称える歓声が上がる。
自分の周りがバルサのサポーターだらけだったんだと初めて気が付く・・・。
「俺はこんなシーンを見るためにはるばるパリまで来たんじゃない・・・。」
しかしArsenalの面々もピッチ上でこのシーンを見つめている・・・。俺も我慢して見なきゃ・・・。
バルサの面々が更なる喜びを爆発させようとピッチ中央の表彰台からグランドに降りて騒ぎ出した時、Arsenalの面々がロッカールームに引き上げだす。
俺も引き上げよう・・・。
バルサ・サポーターの人垣をかきわけて出口に辿り着く。
背後では永遠に続くのかと思われる大合唱が鳴り響いている・・・。
腹が立つ。
負けたArsenalに対してでなく、勝てた試合を落としたことに腹が立つ・・・。
バルサは思ったほど強くなかった。
特にバルサＤＦ陣は何故か最初からパニクっていた。中途半端なマーキング・・・。
Thierry Henry（アンリ）をそんなにフリーにしていいの？
17分頃、Lehmann（レーマン）の退場。
このプレーが仕方が無かったものなのかどうか、私には分からない。
しかし彼の退場はこの試合の結果を決定付けた。
今シーズンのＣＬ、彼にはずいぶん助けてもらった。仕方ないか・・・。
Pires（ピレス）がアウト、Almunia（アルムニア）が代わって入る。
10人のArsenalはそれでも勇敢に戦った。
本当に誇らしかった。
セットプレーから１点を奪い、時折繰り出すカウンターはバルサにとって危険な香りが立ち込めていたに違いない。
10人の我々はリードを続けた。
本当に誇らしかった。
"堤防"が決壊したのは77分。
ボスが試合後のインタビューで「受け入れることが出来ない（difficult to accept）オフサイド」と語ったエトゥのゴール。
右手の方で発炎筒が上がる。喜びを爆発させるバルサ・サポーター・・・。
無骨なArsenalサポーターの応援と比べると、バルサ・サポーターの応援は統率がとられ洗練されている。バルサ・サポーターの歌声と歓声がスタジアムにこだまする。
黙りこくるArsenalサポーター・・・。
とうとう"堤防"が決壊した・・・。
決壊してしまった・・・。
数分後逆転のゴールを許す。
万事休す・・・。
残念ながら我々にはこれ以上逆境を跳ね返す力は残っていない・・・。
スタジアムを出て地下鉄の駅までの道のりが長かったこと・・・。
そこらじゅうでバルサ・サポーターが輪になって歌っている・・・。
口惜しい・・・。
勝って喜びを表現する方法は星の数ほどあるけれど、負けた口惜しさを晴らすことが出来るのは次の試合で勝つしかない・・・。今日シーズンが終わった。次は8月・・・。
翌日。
我々が"Big Ears"を獲得したら、我々はユーロスターに乗ってロンドンに渡り、Arsenalのパレードに参加する予定だった。
予定は予定・・・、状況によって変更せざるを得ない・・・。
ぽっかりと空いてしまった一日。どうやって過ごそうか・・・。
セーヌ川の川くだり、そしてベルサイユ宮殿巡りでもしようか・・・。
その前に昼食を。
我々はホテル近くのイタリアンレストランで昼食を食べることにする。
ピザ、スパゲティー、アンチョビ入りのサラダ、魚料理を平らげて食後のエスプレッソを口にした瞬間、もの凄い激痛が胃を襲う。
口を開くことも、体を起こすことも出来ず、イスに座ったままテーブルの上にうずくまる事しか出来ない。胃を大きな拳で握られたような激痛。胃痙攣（急性胃炎）だ・・・、と自分では診察している。
以前にも数度、この激痛で苦しんだことがある。5分から10分間ひたすらこの痛みを我慢すれば何とかなるはず・・・。
10分くらい経ったろうか・・・、痛みが何とか引いてくれた。やっぱり胃痙攣（急性胃炎）だ・・・。
ホテルで休んだほうがいいと言う友人達の忠告を聞かずセーヌ川の川くだりに出かける。
地下鉄を乗り継ぎセーヌ川の観光船が発着する岸（エッフェル塔の近く）に着いた途端にまた胃痙攣が勃発・・・。再び動けなくなる・・・。
この日二度目の胃痙攣。やはり10分ぐらい蹲っていたら痛みは引いたが、これ以上友人に迷惑をかける訳にもいかず、私はホテルに帰って休むことにする。
今回の旅行もＰＣを持ってきたが宿泊したホテルではインターネットに繋げる事が出来ず。ホテルで出来る時間つぶしはＴＶを見ることくらい。
ホテルのベッドで横になりＣＮＮとテニスのチャンネルを交互に変えながら時間をつぶす。
開けた窓からは街の喧騒が聞こえる・・・。
Arsenalの事を考えながらウトウトしだす。
昨晩Arsenalはチャンピオンズ・リーグの決勝で負けた。
そしてその敗戦で今シーズンの全てが終了した。
次に"彼等"を見ることが出来るのは8月に入ってからか・・・。
しばらく、しばらくの間皆に会うことが出来ない。
敗戦、シーズンオフ。また退屈な週末がやってくるなぁ・・・。
インターネットに繋がらずArsenalの状況が掴めない・・・。
ボスは？Thierry Henryは？
もし"これ"が胃痛の原因なら私も大した者だ・・・。
友人がセーヌ川観光から帰り目が覚める。
そうか・・・、俺はパリに居たんだ・・・。
今シーズンのチャンピオンズ・リーグの旅はパリの"胃痛"で終わった。
シーズン初めにはパリまで来られるなんて思ってもみなかった。
長くて短い旅。
そして"夢"が"胃痛"で終わるなんて・・・。しかもここはパリ！
そんなシーズンもあるさ！は、は！
次に会うのは8月。
Ｗ杯に出場する選手は怪我をしないように、それ以外の選手はゆっくり体を休めるように祈っています。
Good Luck, Arsenal, see you soon!!!
Arsenal Number 7/hanai
[素晴らしいスタジアムでした]
Comments
london pride:
hanaiさん大変お疲れでした。バルサのパフォーマンスはあまり良くなく、ライカールトのゲームプランも外れていて充分我々に勝機があっただけに、あんなレフェリングでぶち壊されたようで、単なる敗戦と納得するわけには行かないのはもっともです。問題のレーマンのシーンはルール上は故意のファールですからレッドもあり得るでしょうが、プロフェッショナルのゲームとしてはプレーは止めず、ジウリのゴールを認めＰＫは無し、レーマンはイエローというのが常識です。レフェリーは多分よく状況を理解できず、バルサの抗議に押されてレッドを出してしまい、（レーマンはそう言っていますね）結果的にゴールを取り消さざるを得なくなったというところでしょう。役者が揃ったはずの最高の大舞台は70分以上も片方が10人というアンバランスなゲームとなり泥を塗られた格好！それだけでなくマルケスの再三再四にわたるアンリへの汚いファールを見逃し続け、逆にアンリの正当タックルへのカードなど目が付いているのか、と言いたい。極めつけにエトオの同点ゴールのオフサイドを気がつかないとあっては、レフェリーの公正さに疑いすら持ちたくなります。本当に後味が悪く、ヴェンゲルからもアンリからも素直に敗けを受け入れ勝者を称える発言が聞かれないのにも頷けます。敢えてポジティヴに考えれば、実力でチャンピオンに劣ることなく、しかもさらに上昇の期待に満ちたチームには来季の大きな目標を持つことができたということでしょう。アンリもチーム残留の理由の一つにこのリヴェンンジ数えていますから、あながち的外れともいえますまい。アンリ残留、新スタジアムで良いリスタートが始まった、と考えてストレスを打ち消し胃を直してください。しばらくアーセナルはお休み、ワールドカップでガナーズプレイヤーの代表戦活躍でも見て気分転換しましょう。フランスはジダンの最後の姿という視点で語られていますが、新たなエースであるアンリの名を世界中の人が認識するんじゃないかな！
(May 21, 2006 13:39:33)
hanai:
london prideさん、
そうですね、バルサは思ったほどでもなかったです、ラーション以外は・・・。
レフリーの判定は常に論争の的になってしまうんですよね。帰国してTVで決勝を見たら、何と我々の1点目の起点となったEboueへのファール（Henryのフリーキック→Solのヘディング）はEboueのダイブ！
Eboueへのファールじゃ有りませんでしたね・・・。
それを考えれば、やっぱ"負け"だったのかな・・・。
私はあまりW杯には興味がありませんが、もちろんArsenalの選手の活躍を祈っています。
来シーズンArsenalはCL予備予選からの参加になるので、少し早めのシーズンイン。
怪我をせぬよう頑張って欲しいですね！
そうですね、バルサは思ったほどでもなかったです、ラーション以外は・・・。
レフリーの判定は常に論争の的になってしまうんですよね。帰国してTVで決勝を見たら、何と我々の1点目の起点となったEboueへのファール（Henryのフリーキック→Solのヘディング）はEboueのダイブ！
Eboueへのファールじゃ有りませんでしたね・・・。
それを考えれば、やっぱ"負け"だったのかな・・・。
私はあまりW杯には興味がありませんが、もちろんArsenalの選手の活躍を祈っています。
来シーズンArsenalはCL予備予選からの参加になるので、少し早めのシーズンイン。
怪我をせぬよう頑張って欲しいですね！
(May 21, 2006 20:41:35)
