December 04, 2007

Mathieu Flamini（フラミニ）という選手　[Aston Villa 1-2 Arsenal]


Flamini（フラミニ）は2004年7月、Marseille（マルセイユ）からにArsenalにやって来た。
地元のマルセイユ・ユースに所属、この年（2003/04シーズン）にトップデビューを果たしたところだった。
当時、彼はマルセイユと何故かプロ契約と結んでなく、Arsenalには移籍金なしでやって来たため、それが後に問題となった。

ボスが、プロ契約を結んでいない彼をマルセイユから無理矢理引き抜いたような事が言われているが、私が読んだ記事（Webだったかサッカー誌）にはこんなエピソードが書かれていた。


ある日、Euro2004（ポルトガル）が行われている会場（競技場）かパーティーか何かで、Flaminiはボスと偶然に会った。そこでFlaminiはボスに、当時Flaminiが所属していたマルセイユでなかなか出場機会が得られなくて面白くないと愚痴ったらしい。
"優しい"ボスは「何かあれば相談に乗るよ」と言って、その場は"それだけ"で終わったとの事。

しかし、それから1ヶ月もたたない内にボスの所にFlaminiから電話が突然かかり、

「プレミアのクラブをどこか紹介して下さい」（Flamini）
「Okay, でもマルセイユは？」（ボス）
「辞めます」（Flamini）
「そうか、それで今どこに居るんだ？」（ボス）
「ロンドンです。出来ればロンドンのクラブでプレーしたいんですが…」（Flamini）

ボスはFlaminiの凄まじい行動力に"絶句"し、そしたらArsenalに来ないか？との話になったとの事。


“抜群な体力”、“理解力の速さ”。
Arsenalの選手となったFlaminiを形容する時に使われた言葉は「テクニック的」な特徴を現す言葉でなく、どちらかと言うとサッカー選手として少し“地味”な言葉で形容されるものだった。
当時（2004/05シーズン）、宿舎で同室だったCesc（セスク）がこの年にレギュラーの座を瞬く間に掴んだのとは対照的に、彼は“地味”な選手として控えとして使われる事が多かった。

彼に転機が訪れたのはその翌年の事だった（2005/06シーズン）。
当時、Arsenalには Cashly Cole（お金の大好きなコール）というイギリス人の左サイドバックレギュラーが居た。その彼が代表戦練習中に足を骨折。現在の左サイドバックレギュラーのClichy（クリシー）の出番だ！と思ったのもつかの間、彼もCashly Coleと同様に骨折で長期戦列を離れる事に…。左サイドバックのポジションが突然ポッカリ空いてしまった。
何人かの選手が、“左サイドバック”として試されたがマッチせず。何といってもArsenalのサイドバックは他チームのサイドバックより猛烈な体力が要求される。直ぐ代わりが見つかるようなポジションでない。
何人かが試された後、結局、“抜群な体力”、“理解力の速さ”の持ち主Flaminiがそのポジションで起用される事になった。

彼の“体力”と“理解力”は非凡だ。
彼は“左サイドバック”のポジションをしっかり手中にし、CLの10試合無失点記録を樹立したバック４の一角となり、Arsenal初のCL決勝進出のレギュラーメンバーに名を連ねた。
しかし、パリで行われたCL決勝戦には骨折から戻ったCashlyが先発で出場した。
彼は“夢の舞台”に先発出場できなかった。無念だったろう…。
そして、Aesenalの“夢”もFlaminiの“夢”も、（私の夢も）、この日、もろくも敗れ去った。


翌シーズン（2006/07）、Flaminiは高らかに宣言した。
「自分は中盤の選手だ。中盤で勝負する。」
しかし、彼に出番はあまりまわってこなかった。
中盤には、キャプテンのGilberto（ジウベルト）と若き王様Cescの二人が君臨していた。
調子は良かった。このシーズンが始まる前に、ドイツW杯があったが、フランス代表に召集されなかった彼は、早くからチーム練習に加わって新しいシーズンの準備をしっかりしていた。
欲求不満が溜まった。
シーズン中にArsenalと何度か契約更新の席が設けられたが、彼は首を縦に振らず、このまま出番が無ければ翌シーズン（2007/08）にはArsenalを出るとマスコミにも語った。
彼の“移籍”は決定的に思われた。
シーズン後半にはベンチにすら入る事が無くなった。

しかし、FlaminiはArsenalに留まった。
ボスとの話し合いの結果、新しいシーズンをもう一度Arsenalでチャレンジする事にした。
そして、中盤に君臨していたGilbertoがコパ・アメリカ戦（代表戦）のためチーム合流が遅れたチャンスを彼は逃さなかった。仲のよいCescとの中盤のコンビネーションは、Cesc-Gilbertoコンビよりコンパクトでスピーディーな中盤の形成を可能にした。Arsenalのスピーディーなパス回しによる攻撃が毎試合のように見られるようになった。


Aston Villa戦、左足で放った彼の弾丸シュート（同点弾）は見事だった。
Aston Villaに決められた先制点は彼のパスミスが元だった。それが原因で奴等のカウンターを喰らった。
彼は挽回したかったに違いない。Arsenalの中盤は層が厚い。ミスが続けば代わりはいくらでも居る。競争はいつもそこにあり、Arsenalの中盤で生き残るのは、プレミアの他のチームのどこよりも難しい。

今週水曜のNewCastle戦、Hleb（フレブ）とCescの二人が欠場するらしい。
“体力”と“理解力”でArsenalを勝利に導いてください、頼んだよFlamini.
（早く契約更新もしてください！）

Arsenal Number 7/hanai

flamini
[KATITAって誰？]


Posted by hanai at 01:44:58 | from category: 　Arsenal | TrackBacks
Comments

FABREGAS2:

感動しました、この記事に。そしてフラミニのプレーに。目指すプレーはこのフラミニのプレーであり、チームにおける態度です。目標はフラミニ、いままではピレスでありGilbertoでしたが。今シーズン記憶の残るゴールであり、ゴール後のパフォーマンスです。
(December 04, 2007 12:39:34)

AKI:

そっか、あの失点はFlaminiのミスからだったんだ…ま、いっか、そんなことは。そんなことよりやっぱりFlaminiはArsenalになくてはならない人。Arsenal残留を決めてくれて私は本当に嬉しかったんです。あんなに走って、なんでもこなして、いつもみんなに声をかけてて…なんて素晴らしい人なんでしょう。みんな、Flaminには頭が上がらないはずですよ！
(December 04, 2007 17:17:05)

vivaorange:

ええ話なや〜。
フラミニ移籍のきっかけが、彼自身の猛アピールからとは知りませんでした。
あの時「ふん！プロ契約してないマルセイユが悪いのよっ！」と言いながらも、
アネルカ、アリアディエールと、ただでさえよく思われてないのにさ〜、
ボスもちょっとやりすぎじゃないの？とか思っていたのでした。
ほんと心の底から猛省します！

そしてあたしもすごく気になるの〜！KATITAって誰？
(December 04, 2007 21:31:03)

hanai:

FABREGAS2さん、

今シーズンのflaminiは本当に素晴らしいですね。代表にも選ばれ、乗りに乗ってるって感じですね。
元々、決定力のあるプレーヤーなんで、今後も印象に残るゴール期待したいですね。
(December 05, 2007 01:28:39)

hanai:

AKIさん、

そーなんですよ、あの失点は彼のパスミスからだったんです。「あれっ？何やってんのフラミニ？」って思ったら、カウンター喰らって失点してしまいました。フラミニは自分のミスでもあり必死にゴール前に戻りましたが、Diarraがカバーに走らなかった（ゴール前に戻らなかった）のも気になってしまいました。
でも、その彼がゴールを決め、試合には勝ったし、本当に良かった、良かった！

そういえば、AKIさん、フラミニと一緒に写真撮ってましたよね？
羨ましいなぁ…。
(December 05, 2007 01:39:28)

hanai:

vivaorangeさん、

こんにちは。
フラミニがマルセイユと“プロ契約”を結んでなかったのは、彼がマルセイユ・ユース出身だったからのようです。マルセイユはトップチームに上がったフラミニと一応“プロ契約”を結ぼうとしたらしんですが、その“契約内容”がひどい内容だったらしく（ユース出身者なので）、フラミニは契約締結を拒否、結局“プロ契約”を結ばないままシーズンを終えたようです。

Arsenalとの“契約更新”もまだしていない様なので、どこかのチームに獲られる前に、早く契約更新を済ませて欲しいですね。
(December 05, 2007 01:47:37)
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