November 10, 2005

Arsenal, Chelsea, ManUの"自信"の意味は…。


Webで「Arsenal, Chelsea, ManUの"自信"の意味は…。」と題した面白い記事を見つけました。
非常に興味深い内容で、普段我々が"どうして？"と思うような事を端的に言い現わしています。
少し長い文章ですが、今日は皆様にその記事をお伝えします。


■「Arsenal, Chelsea, ManUの"自信"の意味は…。」

前にも書いたが、Chelseaの脅威は、Chelseaが"本当のフットボール"を始めたときにやってくる。また、いつも"World Class"の選手達を単純で退屈な戦術に縛り付ける事は出来ないとも書いた。そのうち、選手達は"本当のフットボール"を始めるだろうと…。
優秀な選手はいつだって"本当のフットボール"をプレーしたがる。Chelseaは優秀な選手を沢山抱えるチームだ。そしてその"戦術"は、よりダイレクトに、よりコンパクトに、より規律あるフットボールを行う事である。Chelseaはその戦術を用いて昨年優勝した。そしてその"戦術"が生み出すプレーは、観ていて決して楽しいものでなかった。退屈だとすら言われた。
しかし"勝つ"事によって自信は育つ。Chelseaはこの"戦術"を使い、まず先制点、追加点を挙げ、リラックスした後に（試合を決めた後）"退屈な戦術"を捨てて"本当のフットボール"をプレーし始める。今シーズン、Chelseaのプレーが素晴らしいのはこの瞬間からだ。
もはやChelseaのプレーは"退屈"なんかでなく、本当に素晴らしい。そして、今シーズンは素晴らしいスタートを切った。

Chelseaは徐々にダイレクトなプレー（"退屈な戦術"）より、良いプレー（"本当のフットボール"）で勝つようになった。Real Betis戦（ベティス戦/CL）では、彼等はまず"本当のフットボール"をプレーして、それが機能しないと分かるとゴールを狙うためにロングボールを放り込む戦術（"退屈な戦術"）に変えた。これは調子が良い時のChelseaと全く逆の展開だ。彼らはパス回しによって得点を狙う前に、ロングボールで先制点を狙うべきだった。この"逆"フットボールを行った事によって、彼等はスペイン（前述のBetis戦）、マンチェスター（ManU戦）で負ける事になった。
突然、モウリーニョ監督はロングボールを使うか、パスで繋ぐかの判断が出来なくなった。Chelseaはこの2つのプレースタイルの狭間で苦しみ、逃れられない状況に陥った。
多分、このような理由からArsene Wenger（ベンゲル監督）は2つのプレースタイルを持つ事を嫌うのだと思う。

しかしながら、Chelseaが苦しんでいるのを喜んでいる時間は無い。多分Chelseaの回復は早いと思う。昨年ArsenalがOld Trafford（ManUのHome）で無敗記録をストップされた後、Arsenalは苦しんだ。しかし、Chelseaには同様の苦しみは起こらないと思う。なぜなら、Chelseaは"勝つ"ことによって自信を取り戻す事が出来るからである（ManUも同様）。
一方でArsenalは、"勝つ"、"負ける"に関係なく、"良いプレー"が出来たかどうかが自信を取り戻すポイントとなる。

Chelseaは"勝つ"と同時に調子を取り戻してくるだろう。しかし、Arsenalは"哲学的"なベースを持ったチームである。Arsenalが自分達を"強い"と感じるのは、パスとそれに連動した選手の動きが機能した時、言い換えれば、それは彼らの"哲学（思考）"が機能した時のみである。
Arsenalは"上手く"戦ったから勝利を挙げる事が出来たと考える。
一方、ChelseaとManUは相手より"ハードに（厳しく）"戦ったから勝利を挙げる事が出来たと考える。
2つの考え方は全く異なるものである。

今シーズン初めArsenalが苦しんでいた時は、どの試合もパス連動が上手く機能しなかった。彼等は最悪の悪循環に陥った。完全に自信を失ったPires（ピレス）は相手ＤＦを抜き去る試みすらせず、バックパスを選択ばかりした。それは選手達が"パス連動"がもたらす結果を全く信じてないように見えた。
セットプレーからの得点で勝利した試合ですら、彼らの自信回復には何も役には立たなかった。単なる"勝ち"はArsenalに"自信"を与えない。Arsenalは自分達の方法（パス連動）で勝たなければ"自信"を得る事が出来ないのだ。
最近の2試合、Arsenalは上手いオープンプレー（パス連動）で勝利を挙げた。そしてこの2試合がArsenalの選手達に再び"自信"を与える事になると思う。

シーズン当初、Thierry Henry（アンリ）はPires、Bergkamp（ベルカンプ）の（パスの）ために"走る"事はあったが、Reyes（レジェス）や他の選手のために"走る"事はなかった。彼（Thierry Henry）は、PiresとBergkampから以外のパスは自分の走った所に来ないと信じていた。Arsenalの選手達はお互いの信頼関係が欠如していた。
しかしPrague（プラハ戦）では、Thierry Henry（アンリ）はゴールに飢えていた。そしてToure（トゥレ）のパスに"走り"こみ、素晴らしいゴールを挙げた。
また、Van Persie（ペルシ）は他のチームメートのパスに"走り"こんでゴールを挙げた。
Piresは右サイドでプレーし、Thierry Henryの近くでプレーしている選手を探さなければならず、まずそれらのプレーヤーにパスを出した。
Thierry HenryはVan PersieがArsenalのヒーロー、偉大な選手になるであろう事を知っている。だから、Thierry Henryは他の選手のどんなパスにも"走り"こみ、自分が今でもArsenalではトッププレーヤーであることを証明しようとしている。

Sunderland戦（サンダーランド戦）のLauren（ローレン）がThierry Henryに出したパスのシーン、4週間前ならThierry Henryはゴール前に走りこまず、コーナーファラッグ付近でLaurenからパスを受け取っていたはずである。あの土曜日（サンダーランド戦）、Thierry HenryはボールがLaurenから出てくると信じてゴール前に走りこんでいた。また、彼はFabregas（セスク）のパスに走りこんで3点目を挙げた。
Van PersieがThierry Henryにプレッシャーをかけ、お互いに"パス"によってて自信を深める。それはArsenalにとって本当に良いニュースだ。

今シーズン、我々は選手達の怪我から沢山の事を学んだ。
最初に、Reyes（レジェス）はストライカーで無い事。そしてHleb（フレブ）は、彼が怪我をする前に気が付いてはいたが、セントラルプレーヤー（中央でプレーする選手）である事。
第二に、若手選手の成長を促す一番の方法は、一対一の直接ポジション争いをさせる事。よって、Reyesは彼のポジション争いをPiresとのみ行うべきだ（PiresともHenryともLjungbergともポジション争いをさせる混乱した状況にしない）。Van PersieはBergkampとのポジション争いをさせ、Eboue（エボウエ）はLjungbergとさせる。HlebはFabregasとすることになる。

そのようなポジション争はプレーの集中力を高め、しっかりした正しい評価がなされる基盤を作る。私は今でもToure（トゥレ）をMFで使うべきだと考えている。最近、この考えに同調するレポーターが徐々にだが増えてきた。Emmanuel Petit（プティ/元Arsenal）もその一人だ。

悪いニュースは、Chelseaが自信を取り戻すためには、ただ単に"勝利"があればいい事。
それだけである。もしモウリーニョが私が思っているように優秀な監督なら十分分かっているはずである。1試合勝てばいい。一方Arsenalは加速するのに時間が必要なチームだ。でも我々は知っている、Arsenalがトップギアに入った時、Arsenalは素晴らしい戦いをする事を。
ManUは先のChelsea戦で"勝利"を手に入れ、そして調子を戻してくるだろう。ManUは、結果的にArsenalの"無敗記録"を守り、Chelseaの独走にストップをかけた。
しかし、私はまだ心配だ…。Arsenalは結局2位の座を巡る戦いをする事になるのではないかと…。

= End =


成る程…。そう言われてみれば、そうだなぁ…。
Arsenalが一端調子を落とすとなかなか調子が戻らない理由も納得…。
「Arsenalは"哲学的"ベースを持ったチーム」だって言われると、心当たりあるなぁ…。
「単なる"勝ち"はArsenalに"自信"を与えない」。はい、その通りだと思います。

そうそう、先日コメント欄で話題になった"Toure（トゥレ）をMFで使っては？"にも言及してますね。
ToureをMFで使えば、選択肢が色々増えるような気がするんだけどなぁ…。

Arsenal Number 7/hanai
Posted by hanai at 01:31:25 | from category: 　Arsenal | TrackBacks
Comments

london pride:

hanaiさん、こんな記事をどこで見つけてきたのですか？どんな人が書いているんだろう？ホントによく言い当てていますね。モウリーニョとヴェンゲルの比較というのは分かり易いです。要するにモウリーニョはカルチョでヴェンゲルはエスパーニャに近い哲学の持ち主だと。ユーヴェもミランもチェルシーに似ているし、バルサやレアルはアーセナルに通ずるのだから明白です。そしてヴェンゲルが勝負とサッカーを使い分けるべきでないという考えているのもナルホドです。時々この人はベンチワークを何故しないのだろうとよくゲームを見ながら思いますが、創造性とチャレンジのサッカーを全うするには二兎は追えない訳です。
ファーガソンは基本的にモウリーニョと同じ勝負優先型でやはりロングボール多用と中盤パスサッカーの両刀使いです。だからヴェンゲルとはソリが合わないし、モウリーニョがファーガソンをレスペクトするとかのコメントも納得できます。そしてヴェンゲルとモウリーニョが中傷合戦してまでも相手を許せないのは、この対立する部分で決して退くつもりがないからなのですね。蛇足ながらベニテスは二兎を追って失敗しています。迷っていますね、この人。
次にアーセナルのサッカーへの評価ですが、パスサッカーの本質はオフザボールの動きにあり、信頼関係に基づいたスペースへの走り込みと連動性の構築がどのくらい出来ていたか、という視点は最も説得力があります。また選手の特質への考察ですが、レジェスやフレブについては、すでに誰の目にも明らかで特に目新しい見方ではありませんが、選手を新たなポジションで育てるには、自身の特徴をアピールさせる必要があり、それにはライヴァルを明確にさせた方が良いという意見は傾聴に値しますね。
我々観客というものは、勝ち負けの結果ならばダイジェストでも見てれば良いのであり、本当に見たいのはサッカーなのです。順位やタイトルもファンだから気にはなりますが、なによりトップギアに入ったアーセナルの芸術を堪能したいのです。
(November 10, 2005 04:11:57)

nagao:

へっへっ、素晴らしい収集力。
その情報網で１月の移籍市場はどうなっているか知りたいのですが？
　Fernando Torresが噂にあがっていますが信憑性はあるのでしょうか？　Reyesの件もあるので無い話ではないかなと（Arsenalは６２億使うと）
　Anelkaも久々の代表で得点したみたいだし、（Henry様はヒールで得点した模様）CBも欲しいし...んー
(November 10, 2005 20:31:08)

hanai:

london prideさん、
確か"Joel"というスポーツジャーナリストが書いた記事です（今出張中なので、自分のPCが手元に無い！）。
早くトップギアに入れくれ！って感じです。
"芸術"を堪能したいですね。
(November 11, 2005 07:21:55)

hanai:

nagaoさん、
"Torres"の件は先程Blogに書きました。ご参照ください。

"星座野郎"はThierry Henryを90分フルで使ったようですね…。絶句です。怪我が再発しなければいいですが…、本当に心配です。

CB? もちろんです。
(November 11, 2005 07:25:14)
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