Arsenal hanai blog

March 08, 2006

『忘れ物を取りにHighburyへ』第一日目雨のロンドンはフットボールの香り

小雨。
空港でタクシーを捕まえホテルに向かう。
あたりは既に暗くなり始めている。時差で戸惑う体内時計に今は夕方だと言い聞かせる。

「雨が多く、冷たい・・・。そして夜が長くて暗い冬のロンドンが原因で鬱病になる方（日本人）が多いんですよ」と森田さん。
森田さんは前回の『最後のHighburyツアー』でお世話になった現地エージェントの可愛い女性。今回は特別に空港で我々夫婦を出迎えてくれた。
（確かに、前回の時も雨がよく降ってたし、冷たく暗い印象が強かったなぁ・・・）

タクシーの中での森田さんとの会話がロンドンの気候からフットボールとイギリスの文化の事へと移る。
それは前回の『最後のHighburyツアー』でWestHam vs. Chelsea戦を観戦した時の出来事。
（前回のツアーは日程に少し余裕があったので、Arsenal戦の合間にWestHam vs. Chelseaを観戦した）
私と妻はWestHam側のゴール裏でこの試合を観戦していた。
厚い雲が空を覆い、昼間だというのに薄暗い。スタジアムは古くさびれていて、着飾ることに無頓着なサポーター達のダークで暴力的な色彩と対をなし、異様な空間を醸し出す。
照明に照らし出された緑色のピッチ（芝）だけが、その異様な空間の中で神聖な場所だと主張している。
「怖い」
Chelseaは強かった。
WestHamには1％の勝ち目もなかった。
誰の目にも明らかだった。ゴール裏のサポーター以外は・・・。
彼らは最初から最後までイスに座ることを拒み、拳を振り上げ、Chelseaを罵り続けていた。それはフットボールを"楽しむ"より、フットボールと"戦う"という姿勢・・・。そう、彼らは間違いなく何かと"戦"っていた。
「怖い」
私の左前に10歳くらいの男の子がいた。
彼は周りの大人の大きさに負けないためにイスの上に乗り、拳を振り上げてChelseaを罵る。周りの大人と同じ言葉で・・・。そして周りの大人は彼を"仲間"だと認める。
彼は"戦う"事で認められ、そして"日常"から開放される。そして、そのまま"大人"になって行くのだろう・・・。彼も自分の子供をこのスタジアムに連れて来るに違いない。
「怖い」

長く、暗く、冷たい冬。
一つのボールを何の道具も使わずに11人の生身の選手が追うシンプルなゲームは、そんな辛い"冬"から開放してくれるだけでなく、辛い"日常"からも開放してくれる。"戦う"事によって・・・。

幸いなことにHighburyにはその様な雰囲気は無い。
どうしてだか私には分からない・・・。多分地域性が原因だと思うが・・・。

タクシーがホテルに到着した。
あたりは既に真っ暗。そして相変わらず小雨。冷たい・・・。
雰囲気も前回と同じ。そしてホテルも前回と同じ。
「ロンドンに着いた・・・」。
前回は2ヶ月前。それなのになんだか妙に懐かしい。
「明日はレアル戦」。
やっと実感が沸いてきた。ここにはフットボールの香りが漂っている。

明日はフットボールを"楽し"もう！はるばるロンドンまで来たんだから！

Arsenal Number 7/hanai

Posted by hanai at 10:10:31 | from category: 　Arsenal | TrackBacks

Comments

hiro:

hanaiさん、いよいよ決戦ですね。楽しんでくださいね。美しいアーセナルのフットボールを！Highburyの雰囲気を。必ずや８強入りしてくれることでしょう^^現地での応援よろしくお願いしますネ！！とくにＤＦ陣に叱咤激励を^^;調子の上がってきたHenryは点とってくれるでしょう☆今夜は縁起のいいHenryのユニ着て、正座して日本から応援していますよ☆
Arsenalに栄光あれ～

(March 08, 2006 16:09:35)