March 26, 2006

ボス


珍しくボスが自身の"感情"について語っている記事を見つけました。
今日はこの記事を皆様にお伝えします（原文はこちら）。

この記事は、ボスが9年間共に戦い、数々のタイトルを一緒に勝ち取ったキャプテン（Vieira（ヴィエラ））の事を中心に、監督として必要な"感情"について語ったインタビューです。


「ずっと一緒に戦い、共に分かち合ってきた選手に、"もうお前は必要とされていない"って言うのはいつだって難しいよ。」

「戦士。そんな言葉で表現するのかな・・・、選手の気持ちは・・・。ある選手が、"もうお前はかつての力が無い"って言われたら、選手はそれをよく"裏切り"って感じるんだ。どんな選手でも自分の力が衰えて来たことを認めたくないからね。私がまだ選手だった32歳の時、監督に言ったんだ、"もし私の力が衰えているように感じたら正直に言ってくれ"ってね。それから半年が過ぎたある日、監督が私のところに来てこう言ったよ、"アーセン（ボスのFirst Name）、君の力は衰えたよ"って。」

「私はそれ以来二度とプレーしなかった。何故って、彼の判断を信じたからさ。自分を騙す事は出来ないからね。」

「私は監督生活で選手達に出来るだけ率直に話さなければならないって事を学んだ。たとえ選手達が私の言っている事を受け入れてくれなくてもね。」

「いくらかの選手は私の判断を受け入れる事を拒むけど、彼らはそれを"意見"として聞いてはくれる。彼らはよく知っているからね、彼らの監督の"誠実さ/公平さ"のレベルを・・・。」

「我々にとってPatrick（VieiraのFirst Name）と戦うのは（ユーべ戦の事）少しハンディキャップ（不利）かな。彼は我々のことは全てお見通しだからね。でも同様に我々も彼の事をよく知っているから、彼にとってもやりにくいかもしれないね。」

「私は仕事上、本当に難しい決断をしなければならないことがある。我々は大きな組織として活動しているからね。怖くもなるさ。でも私は状況をきちっと把握していると思っている。私は"優しさ"を信じない。それは"弱さ"と解釈されるからね。」

「ジャングルで仕事をしているようなものだよ。猿の群れの話は知ってるだろ？群れはリーダーによって率いられている。リーダーは群れを率いていると同時に、リーダーの座を狙う若い猿といつも戦っているんだ。そしてある日、そのリーダーが"戦い"に敗れ、新しいリーダーが群れを率いることになる。サッカーという戦いに臨むためには、"力と強さ"を保ち続けなければならない。」

「私は"怒り"と"失望"をコントロールできるようになった。でも感情の"真剣さ"も同時に持ち合わせている。以前はその両面のバランスを保つのが難しかった。今でも感情の両面を持っている。それはずっと続く戦いだね。」

「勝てば子供のように喜ぶさ、特に予想も出来ない勝利の時にはね。このような"感情"の時は自分の中の"子供"の部分が現れるんだ、勝利の時、敗北の時にね・・・。私は"感情的"な面と"理性的"な面のバランスをとることを学んだよ。」

「私はサッカーチームの監督の仕事は"大人"のための仕事だと思う。サッカーほど人々に情熱を与えるスポーツは無いからね。12歳の時、それは取るに足りない試合だったけど、その時の勝利の記憶がいつまでも自分の中に残っているんだ。サッカーの試合に勝つって事は、いつまでもいつまでも記憶に残るものさ。」

「私の家族は全員信心深いカトリック教徒だった。でもこの信仰は今の自分には無い。私は宗教に対して悪意や恨みは持っていないし、宗教は私に、人に対して敬意を持つことを特に教えてくれた。でも今は信仰を持っていないんだ。私は素朴で騙されやすい人間だった。」

「その代わりに私は気高い面を持っているんだ。それはうわべだって事は知ってるけど・・・。だけど私は"気高さ"を持った人が好きだ。」

「私はここに住んで10年になる。でもロンドンを案内してくれって言われても出来ないな・・・。」
（サッカーばかりに打ち込んで生活し、プライベートな面もなかなか話をしない事を聞かれての答えだと思う）

「私は"アレクサンダー大王"が大好きなんだ。彼は決して自分の勝利に満足しなかった。そして世界を支配する活力を持っていた。彼は33歳の若さで死んだ。それはまるでトップレベルにいるスポーツマンが突然この世から去ったようなものだ。」

「我々は戦いの中にいる。。私は"優しさ"を信じない。それは"弱さ"と解釈されるからね。」


へー、ボス、意外だなぁ・・・。
私は、ボスは物凄く"優しい"人間だと思っていました。
でも、ひょっとしたら、やっぱりボスは"優しい"人で、それを"隠す"ために、わざわざインタビューでこんな受け答えをしているのかもしれません。
（私は今でも、ボスは絶対に"女系"家族の中で育ち、ボスの"優しさ"はその中で育まれたのだと勝手に信じています）

でも10年もの間、イングランドのトップチームを率いていたら、"優しい"だけじゃ務まりませんよね。

今夜（ポーツマス戦）と火曜日（ユーベ戦）の勝利信じてますよ！
厳しく、激しく、圧倒的に強く！行きましょう！


Boss
[ボス！]

Arsenal Number 7/hanai
Posted by hanai at 01:13:38 | from category: 　Arsenal | TrackBacks
Comments

london pride:

hanaiさん、またまた面白い記事の紹介ありがとう。私の持っているヴェンゲルの人物像と矛盾はありませんでしたね。彼は基本的に非常に思いやりのある一面と徹底した合理主義者の一面を併せ持っていて、これまでの彼の言動や、日本人でサッカーを通して彼の事を良く知る中西哲生の文章などからも伝えられています。一見相反するような2つのキャラクターをコントロール彼のパーソナリティは深みがありなかなか魅力的です。
ところでみんな気になる水曜日のユーべ戦すが、ラッキーなニュースが飛び込んできましたね。昨日のポンペイ戦が流れた事です。これは神様がくれた休暇なのでは無いでしょうか？ゆっくり休んだガナーズ戦士に対し、ユーべは予想通りトッティを欠きながらもリーグ10連勝と好調のローマに苦戦しドロー。まだスクデットではミランを引き離しきっていないだけに、国内リーグでも手を抜けない状況ではきっと疲労は残っていると思います。さてガナーズは休養充分の現有勢力に加えて誰が戦列復帰できるのか期待したいですね。
(March 26, 2006 08:45:43)

hanai:

london prideさん、
そうですか、ボスはlondon prideさんのイメージにピッタリでしたか。
ユーベ戦、期待しましょう！
(March 28, 2006 01:22:37)
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